用語集 目次
半導体とプラスチック
1980年代、日本の半導体産業は文字通り世界を席巻していました。DRAMの世界シェアは一時80%を超え、NECや東芝、日立といったメーカーの名前は、シリコンバレーの技術者たちにとって畏怖の対象でした。「日本に半導体を制覇される」という危機感から、アメリカが日米半導体協定を締結したのが1986年。それほどまでに、日本の存在感は圧倒的だったのです。
しかしその後、ご存知のように状況は一変します。韓国・台湾メーカーの台頭、そして設計と製造を分離する「ファブレス/ファウンドリ」モデルの登場によって、日本の半導体メーカーは次第に後退を余儀なくされました。TSMCが先端プロセスを独占し、インテルやQualcommが設計で覇権を握る現在、かつての日本半導体の栄光は遠い記憶のように語られることもあります。
ただ、ここで立ち止まって考えてほしいのです。
TSMCの工場が一枚のウェーハを作るとき、そのウェーハを磨く研磨パッドは日本製です。パターンを焼き付けるフォトレジストは、世界シェアの約70%を日本メーカーが握っています。装置の観察窓に使われるPVCシートも、配線を絶縁するLow-k材料の前駆体も、チップを封止するエポキシ樹脂も——気づけば、そのほとんどに日本の素材・化学メーカーの技術が宿っています。
半導体製造装置においても同様です。東京エレクトロン、信越化学、JSR、住友化学——これらの企業なしに、世界の最先端ファブは一日たりとも動かせません。
つまり日本は、「表舞台」こそ退いたかもしれませんが、「舞台の骨格」を今も支え続けているのです。
ここで、その「骨格」の一つ——半導体プロセスと高分子材料(プラスチック)——を技術的に掘り下げていきたいと思います。半導体産業における日本の強みは、派手な完成品ではなく、誰も代替できない素材と工程の中に静かに宿っています。それを一緒に確認していただければ幸いです。
半導体プロセスと高分子材料
01背景:半導体産業における高分子の重要性
- 現代の半導体プロセスにおいて、高分子材料は製造工程の全段階に深く関与しています[1]。
- フォトレジスト、Low-k絶縁材、封止材、研磨パッド等、各材料は性能・歩留まりを直接左右します[1]。
- 微細化の進行(2nm以降)により、材料設計の難易度は指数的に上昇しています[1]。
- 日本は機能性高分子の分野で世界的競争優位を保持しています[1]。
- 市場規模とコスト:半導体コストに占める材料費の割合は約40%に達し、次世代ノード到達では分子精度が要求されます[1]。2025年の半導体材料の世界市場規模は3.2兆円に上ります[1,2]。
02フォトレジスト—感光性高分子の原理
プロセスと原理
- 塗布:スピンコートによりPAG配合ポリマーを塗布します[2]。
- 露光:EUV(13.5nm)またはArF(193nm)による露光でPAGが分解し、酸が発生します[2]。
- PEB(Post-ExposureBake):酸触媒反応により保護基が脱離します[2]。
- 現像:溶解性が変化し、パターンが形成されます[2]。
化学増幅型レジスト(CAR)の構成と課題
- ベースポリマー:アクリル系・ノルボルネン系主鎖が用いられます。EUV対応では吸収係数と酸拡散係数のバランスが鍵となります[2]。
- 光酸発生剤(PAG):スルホニウム塩系が使われ、量子効率と酸拡散長がLWR(線幅粗さ)を決定します[2]。
- 消去剤(Quencher):塩基性化合物により酸拡散を制御します。EUVでは分子分散型から光塩基発生剤(PBG)へと移行しています[2]。
- 解像限界:EUV単露光では約18nmhp、High-NAEUVでは10nmhp以下を目指しています。Stochastic効果が支配的な課題となっています[2]。
03Low-k絶縁材料—多孔質ポリマーによる寄生容量低減
- 必要性:RC遅延は「k×ρ」に比例するため、微細化において速度律速となるRC遅延を防ぐにはk低減が電気性能に直結します[3]。
- 多孔化の原理:熱分解性ポロジェン(ポリスチレン等)を共混合し、焼成で空孔を形成します。空孔率20〜50%でk<2.0が可能です[3]。
- 材料課題:空孔導入による機械強度・CMP耐性・水分吸着の悪化があり、ポアシーリングとモジュール統合が開発の焦点です[3]。
- ロードマップ:SiO₂(k=3.9,~2000年)→FSG(2003年)→OSG(k=2.7,2007年)→ULK(k<2.0,2014年)→Air-gap(k→1.0,2024年〜)と推移しています[3]。
04CMP(化学機械研磨)と装置窓
04-ACMP(化学機械研磨)—研磨パッドと高分子科学
- CMPプロセスは、砥粒による微小切削(機械作用)と、pH・酸化剤によるパッシベーション層形成と除去のサイクル(化学作用)の組み合わせで行われます[3,4]。
- 研磨パッド:多孔質ポリウレタン(IC1010等)が使用され、気孔率・硬度がディッシングやエロージョンに直結します。ドレッシング周期で表面状態を管理します[3,4]。
- スラリーの化学:SiO₂、CeO₂、Al₂O₃(20-200nm)などの砥粒を含み、pHや酸化剤が金属除去速度を制御します。Cu対絶縁膜で100:1以上の選択比が必要です[4]。
- CMP後の課題:残留砥粒によるスクラッチ・汚染(歩留まり低下)、Cu配線の局所的なへこみ(ディッシング)があり、Post-CMP洗浄液の高分子界面活性剤設計が求められます[4]。
04-B半導体製造装置の窓—PVCシートの機能設計
半導体装置の窓には、以下の要求仕様があり、PVC(ポリ塩化ビニル)が最適に機能します[4]。
| 要求仕様 | 理由 | PVCの対応 |
|---|---|---|
| 軽量性 | 装置フレーム負荷低減・開閉操作性 | 密度1.4g/cm³(ガラスの約55%)[4,5] |
| 耐破砕性 | 破片ウェーハ汚染、オペレーター安全 | 靭性が高く延性破壊するため、破片飛散なし[4,5] |
| 制電性 | パーティクル付着による歩留まり低下防止 | 表面抵抗率10⁹〜10¹¹Ω/sq[4,5] |
| 化学耐性 | 洗浄薬液・IPAへの暴露 | 塩素系溶媒以外は良好な耐性[4,5] |
| 透明性 | 内部プロセスの目視確認 | 可視光透過率≥85%(3mm厚)[4,5] |
- 軽量かつ高靭性のメカニズム:PVCは塩化ビニルの連鎖重合体(Tg≈80°C)であり、可塑剤配合で靭性を制御します。ガラスと異なり応力集中で脆性破壊しないため、衝撃でも破片が飛散しません[4,5]。
- 帯電防止特性の発現:純PVCは静電気が蓄積しやすいため、導電性カーボン・金属酸化物フィラーや帯電防止剤(第4級アンモニウム塩系)を配合し、クリーンルーム対応グレードへ調整します[5]。
- 代替材料との比較優位:PMMA(アクリル)は脆性破壊リスクがあり、PC(ポリカーボネート)は薬液耐性に劣り、石英ガラスは重量とコストが大きくなります。PVCはこれらのバランスが装置窓用途に最適です[5]。
05封止・接着剤—エポキシ系封止材と熱応力管理
- 熱応力のメカニズム:Cu配線、エポキシ封止材、Si基板、有機基板間のCTE(熱膨張係数)のミスマッチにより、熱サイクルで繰り返し応力が発生します[5,6]。
- 設計目標:封止材のCTEをSi基板(2.6ppm/K)に近づけるため、SiO₂フィラーを高充填(80〜90wt%)し、CTEを7〜12ppm/Kに調整します[6]。
- エポキシ系封止材の組成:ビスフェノールA型/ノボラック型エポキシ主剤に、高充填のSiO₂、硬化剤(酸無水物、フェノール系)、Si界面密着性を向上させるカップリング剤で構成されます[6]。
- 最新技術トレンド:3DIC/チップレット向けのUnderfill材の低粘度化・速硬化、Fan-outパッケージのMoldingCompoundの超薄型化、熱伝導性封止材(AlN,BN充填で10W/mK以上)がトレンドです[6]。
- 日本の競争優位:住友ベークライトと日立化成(レゾナック)が世界シェア1位を占め、高充填技術や信頼性試験ノウハウ(JEDECJEP122準拠データの蓄積)が参入障壁となっています[6]。
06次世代技術展望と日本の競争優位
次世代技術と高分子
- ナノインプリントリソグラフィ(NIL):物理的型押しによるパターン転写で、光学解像限界を超える5nm以下のパターンが可能です。HOYAやCanon等が量産型開発中ですが、高分子レジストの低粘度化・速硬化による欠陥密度等の改善が鍵となります[6,7]。
- EUVアンダーレイヤー/メタルオキサイドレジスト:EUV感度向上のため、金属酸化物(SnO₂、HfO₂系)をレジスト母体に使用します。有機系の3〜5倍の吸収係数を持ち、Stochastic効果軽減が目的です。日本企業(JSR、住友化学)が特許網を構築中です[7]。
- ブロック共重合体(BCP)自己組織化:PS-b-PMMAなどの相分離を利用した10nm以下のナノパターン形成技術で、リソグラフィーコスト削減が期待されます。ガイデッドDSAによる局所的パターン誘導が有望です[7]。
日本の高分子材料競争優位マップ[7,8]
| 材料カテゴリ | 主要企業(日本) | 世界シェア概算 | 技術的差別化要因 |
|---|---|---|---|
| フォトレジスト | JSR・東京応化・信越化学 | ~70% | EUV対応CAR設計、PAG合成[7,8] |
| CMP研磨材 | フジミインコーポレーテッド | ~35% | 砥粒粒径制御、選択比調整[8] |
| 低k絶縁膜前駆体 | 日産化学・三菱ガス化学 | ~45% | ポロジェン設計、CVD前駆体[8] |
| 封止材・アンダーフィル | 住友ベークライト・レゾナック | ~60% | 高充填技術、CTEマッチング[8] |
| 半導体テープ/フィルム | 日東電工・デンカ | ~50% | 剥離制御、ダイシングダメージ低減[8] |
| EUVペリクル | 三井化学・旭化成 | 開発中 | 超薄膜CNF・Si膜、EUV透過率>90%[8] |
07まとめと今後の開発方向
- 半導体と高分子は不可分:リソグラフィから封止に至る全工程で高分子が機能し、微細化の限界を高分子設計が決定します[8]。
- 分子設計の高度化が必要:EUVやHigh-NA時代には、分子レベルの光酸拡散や自己組織化の制御が性能を左右する要因となります[8]。
- 日本の「相互不可欠性」戦略:機能性高分子における隠れた支配力は、地政学的サプライチェーンリスクへの構造的な対応策となります[8]。
- 今後の課題:EUVMetal-oxideresistの量子化学シミュレーション、BCP自己組織化の欠陥制御機構、次世代パッケージ向け熱伝導性高分子の設計指針などが挙げられます[8]。
参考文献
- Gronheid, R. et al., "EUV Stochastic Effects and Resist Blur," SPIE Advanced Lithography, 2024. [9]
- Ober, C. K. et al., "Resist Materials for the Next Generation of Lithography," Chem. Rev., 121(10), 2021. [9]
- Pan, D. et al., "Low-k Dielectric Integration Challenges for Advanced BEOL," JVST B, 40(3), 2022. [9]
- Liang, H. et al., "Polymer Pad Tribology in Chemical Mechanical Planarization," Microelectron. Eng., 2023. [9]
- IMEC, "DSA and EUV Roadmap for Sub-5nm Lithography," IEDM Technical Digest, 2024. [9]
- Canon Inc., "Nanoimprint Lithography for HVM," Semiconductor Technology Symposium, 2024. [10]
- Sumitomo Bakelite Co., Ltd., Annual Report 2025. [10]
- SEMI, "Global Semiconductor Materials Market Report Q4 2025." [10]
- Cabot Microelectronics, "CMP Slurry Product Specification Sheets," 2024. [10]
命を守るプラスチック製品達
昨年(正確には2019年の下期から)中国の武漢で発生した新型コロナウイルス(Covid-19)によるパンデミックは、世界中の人々を苦しめています。
2021年9月段階で、感染者(検査陽性者)は2億2千万人を超え、死者は450万人を超える未曾有のバイオ災害となっています。犠牲者は大きな戦争に匹敵する人数です。
日本でも感染者数158万人超、死者数1万6千人超となっています。
一方、コロナウイルスの感染を防ぎ人々の命を守る為に、多くのプラスチックやゴム(高分子)製品(もちろん、我らがプラスチック板も!)が活躍していますので、紹介させて頂きます。
- プラスチック板
飛沫感染防止用パーティションとしてオフィスや受付や飲食店に設置されています。
アクリル板と称される事が多いのですが、多くは塩ビの板です。
当協会でも会議の際に設置して、出席者同士の感染を防止しています。
それらの比較は下の表(プラ工連資料より)に示します。
- プラスチックフィルム・シート
目的は上記のプラスチック板と同じです。
商店のレジなどに設置されているのを良く見ます。
塩ビのシートやPETが多く使われているように思われます。
- 不織布マスク
ポリプロピレンの不織布で作られています。
スパンボンド(比較的太い繊維で強い)とメルトブローン(細い繊維で細かい)の複合が多い。
用途はもちろん飛沫感染の防止
2020年感染拡大の当初(2月~5月)、80%程度が中国生産で中国政府が輸出を制限した為、品薄になり皆様は大変苦労されたと思います。
また、各国で中国人が買い占めて中国に送っていた事が報道されています。
- 防護服
不織布や多孔フィルム(プラスチック製)の複合です。
ポリエチレン製やポリプロピレン製です。
お医者様や看護師の方々が感染者をケアする際に使用しています。
防護服も中国生産が多かった為、不足しました。
- フェイスシールド
マスク替わりに飛沫感染防止に用います。
素材はポリエステルやポリカーボネートが多いです。
テレビでタレントが使用しているのを見かけますが、工場でも多く使用されています。
- 防護メガネ
防護メガネはポリカーボネート製が多く使われています。
- 手袋
材質はラテックスやポリエチレンなどです。
接触による感染を防止します。
- 注射器
ワクチン接種や医薬を打つ際に使用します。
ポリプロピレン製です。
- アンプル
ポリエチレン他で製造されています。
- プラスチックボトル
手指洗浄用アルコール等の容器として使用されています。
このボトルの多くが中国で生産されていた為、感染初期に不足し消毒用アルコールが不足しました。
- 点滴用器具(輸液バッグ、チューブ)
重症者のケアに必須な器具です。
ボトルの材料は塩ビ、ポリエチレン、ポリプロピレン等です。
チューブは塩ビ製が多い。
- 医薬包装
医薬はプラスチックで包装されています。
- 人口呼吸システム
重症者の命を救う為に必須の装置です。 アメリカでは不足した為トランプ大統領がGMに対して緊急生産を命令しました。
チューブやボディに多くのプラスチックが使用されています。
また、すべての医療機器について共通ではありますが、内部の電子部品はプラスチックが無いと成立しません。
- CT装置
日本ではコロナかどうかを判定する重要な検査方法はPCR検査ではなく、X線CTで肺の映像を診ます。ボディや内部の電子部品にプラスチックが使用されています。
【まとめ】
最近、活動家による異常でヒステリックなプラスチック叩きが欧州を中心に起きており、それに一部の政治家やマスコミや学者が乗る形で日本でも無意味なレジ袋等のプラスチック製品の無償配布禁止や、包装の紙や金属への転換が行われています。
皆さんはこれら環境活動家が、かつて割り箸は環境に良くないと攻撃し日本製の間伐材を活用した割り箸産業が壊滅したのを覚えておられるでしょうか?
それで、コンビニの木製の割り箸が無くなりましたか?
結果的に、それらは中国製などの海外製品に置き換わっただけでした。
結論を言うと、そのような日本でプラスチック製品を叩くアクションは世界のCO2排出量を減らさないばかりか、本来の目的である環境へのプラスチックの廃棄もほとんど減らないという愚策です。
もちろん、プラスチック製品を環境中(野山や河川や海)に廃棄することは許されませんが、日本において特定のプラスチック製品を制限したり禁止したりしても、あまり意味はありません。
それどころか、このコラムでお示ししたように、医療や防疫の分野ではプラスチック製品無しでは成り立たないくらい重要な地位を占めています。
人命を救う為に日々戦っているプラスチック製品をよろしくお願いいたします。
材料関係用語
ポリ塩化ビニル
| 用語 | 意味/同義語 | 解説 |
|---|---|---|
| 塩ビ ビニル 塩化ビニル ポリ塩化ビニル ポリ塩化ビニール Poly vinyl chloride PVC |
ポリ塩化ビニルあるいは Poly vinyl chlorideの別称 ・Wikipedia (ポリ塩化ビニル) ・塩ビ工業・環境協会 |
俗世間では軟らかいプラスチックを「ビニール」と言うことが多い。 これは、塩化ビニル樹脂はプラスチックの中でも早くから国産化され、雨合羽やカサ、風呂敷などの日用品にも利用されました。このため薄手の透明なシート、イコール「ビニール」という印象が植え付けられたもの。 業界によっては、プラスチックをビニールと言うと先輩から叱責される。 |
ポリカーボネート
| 用語 | 意味/同義語 | 解説 |
|---|---|---|
| ポリカーボネート ポリカーボネイト ボリカ ボリカーボネート ポリカーボネイド ポリカーボ ポリカーボネード ポリカーボナート Polycarbonate PC |
ポリカーボネートあるいは、Polycarbonateの別称 ・Wikipedia (ポリカーボネート) ・ものづくり情報サイト「i‐maker news(アイメーカーニュース)」 |
年寄りには、「象が踏んでも壊れない筆箱」の材料と言うと通じる。 耐衝撃性が非常に高いことが特徴の透明樹脂。 その特徴から、スポーツ用サングラス、安全眼鏡、航空機の窓、自動車の前照灯カバー、家電製品等に使用されている。 もちろん、板材としては軽量で割れない「ガラス」として建築分野で幅広く使われている。 また、防弾ガラスにも使用される。 |
製品関係用語
平たいプラスチック製品
| 用語 | 意味/同義語 | 解説 |
|---|---|---|
| 板 プレート ボード |
3つともほぼ同じ意味 曲がらない平たいもの |
プラスチックの場合、1000μm(1mm)以上のものを板とする場合が多い。 PVC板の規格JIS K6745では1.0mm以上、PC板のJIS K6735では1.5mm以上が規定されている。 |
平たいプラスチック製品
| 用語 | 意味/同義語 | 解説 |
|---|---|---|
| シート フィルム |
プラスチックの場合、板より薄い、巻き取れる程度のもので、厚いものをシート・薄いものをフィルム | 厚みで区分する場合、JIS(日本工業規格)の【包装用語】規格によると、フィルムとは「厚さが250μm未満のプラスチックの膜状のもの」、 シートとは「厚さ250μm以上のプラスチックの薄い板状のもの」とされている。一方、日本標準産業分類(総務省)【プラスチックフィルム・シート・床材・合成皮革製造業】の定義によれば「シートとは,厚さが0.2mm以上で軟質製のものをいう。」「フィルムとは厚さが0.2mm未満で軟質製のもの及び0.5mm未満で硬質製のものをいう。」とされている。 このように、プラスチックのシートとフィルムには明確な区分は無いが、日本国内では一般的に200μm以下の厚さをフィルム、それ以上の厚さをシートと慣習的に称する事が多い。 |
波板関係
| 用語 | 意味/同義語 | 解説 |
|---|---|---|
| 波板 なみ板 なみいた ナミイタ 海鼠(なまこ)板 |
ほぼ同じ意味 一定のピッチで波状に曲がっている板 |
主に屋根に使われる。 プラスチック波板は加工性が良好 塩ビ:ハサミで切れる ポリカーボネート:のこぎりで切れる 下図は断面の例 ![]() |
| トタン トタン板 |
波状に曲がった亜鉛メッキ鋼板のことを言う。(厚さ0.198~2.38mm) | プラスチック波板の先祖にあたる。 トタンとはポルトガル語の亜鉛 (tutanaga)からとの説がある。 |
| 折板 せっぱん おりいた |
一般的には鋼板を曲げたものを言うが、右図のようなものをプラスチック折板と言う事もある。 | 下図は断面の例![]() |

